原因にて意識喪失後、絞首したるものと推定さる。尚《なお》処女膜には異常を認めず。(その他略)
◆備考[#「備考」は太字] (A)如月寺の本尊|弥勒《みろく》菩薩の座像を調査するに、頭大にして身小さく、形相怪異にして、後光も無く偏袒《へんたん》もせず。普通の法衣の如く輪袈裟《わげさ》をかけ、結跏趺座《けっかふざ》して弥勒の印《いん》を結びたるが、作者の自像かと思わるる節《ふし》あり。全体の刀法|頗《すこぶ》る簡勁《かんけい》、雄渾《ゆうこん》にして、鋸歯状《きょしじょう》、波状の鑿痕《さっこん》到る処に存す。底面中央に、極めて謹厳なる刀法を以て「勝空《しょうくう》」の二字を一寸角大に陰刻しあり。
(B)中央の空虚は縦深一尺、横径三寸三分余の円筒型にして、上部、及、底部に詰めたる綿と、灰の厚さを差引く時は、高さ一尺六分強となり、絵巻物(別参考品)の体積と相違なく適合せり。尚、その蓋に当る首の根の方形部には糊付けの痕《あと》残存せるを見る。
(C)灰を包みたる唐紙、及上下左右に詰めたるものと思しき綿を検するに、古色等、記録の時代と略《やや》相当するを認む。灰は検鏡分析の結果、普通の和紙と
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