やのち》、約一週間の後《のち》に到り、漸次平静に帰すると共に、放神状態になり行く傾向を認められつつあり)

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◆備考[#「備考」は太字] (イ)事件発生当日午前十時半、出入を禁じありたる呉家の土蔵《くら》(三番倉と呼ばれおるもの)の内部を検するに、階下の板の間の入口に敷かれたる古新聞の上に、呉一郎の朴歯《ほおば》の下駄《げた》の跡と、モヨ子の外出|穿《ば》きの赤きコルク草履《ぞうり》が正しく並びおり、その傍《かたわら》より蝋燭《ろうそく》の滴下《したたり》起り、急なる階段の上まで点々として連《つら》なれり。
 階上の状況、及、被害者の屍体には格闘、抵抗、苦悶等の形跡を認めず。
 屍体《したい》頸部には絞縛《こうばく》したる褶痕《しゅうこん》と鬱血《うっけつ》、その他の索溝《さっこう》相交《あいまじ》って纏繞《てんじょう》せり、然《しか》れども気管喉頭部、及、頸動脈等も外部より損傷を認むる能《あた》わず。尚《なお》脂粉の香《におい》ある新しき西洋手拭《タオル》一本、屍体の前に置かれたる机の下に落在《らくざい》せるが、右は加害者の所持品にして、右兇行に使用したるものと
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