に難《かた》からざる事。
=松村マツ子女史の談話中= 「千世子が有名なる男喰いなりとの噂」云々の事実と、前記の疑問とを綜合する時は、此《かく》の如き事情を負うて家出せる同女の、その後の行動の一斑を窺《うかが》うに足るべき事。
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如上の各項の疑点を通じて、姪の浜の呉家に伝統的の、しかも、極めて恐怖すべき或るもの[#「或るもの」に傍点]が存在せる事、及び同家の最後の血統を有せる八代子と千世子の姉妹が、この事を熟知しおるらしき事は、この事件の当初より既に、充分に暗示しありたるものと見るを得べし。
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【十一】 残るところは、この事件に於ける呉一郎の夢中遊行の発作が「如何なる種類の心理遺伝の[#「如何なる種類の心理遺伝の」に傍点]、如何なる程度の発露に依りて行われたるものなりや[#「如何なる程度の発露に依りて行われたるものなりや」に傍点]」という問題なり
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即ち這般《しゃはん》の第一回の発作は、その夢中遊行の直接誘因とも見るべき有形的の暗示[#「暗示」に傍点]が「一女性の寝顔の美」という簡単なるもの
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