行の心理を象徴せるものなる事は、ここに更《あらた》めて呶々《どど》するを要せざるべし。而して同時に、このロクロ首が、油、又は下水その他の不浄の水を舐《な》める習癖あるがため、翌朝に到りて口中に悪臭を感ずるものなる事は、この種の怪談、又は絵画等に依って説明され来りたるところにして、一見、荒唐無稽の空説なるが如く見ゆるも決して左《さ》に非ず。すなわち、この怪談に於て、単にその首だけが脱出|蜿蜒《えんえん》して、何ものかを舐めたるが如く推断されたるは、夢、もしくは、夢中遊行の真相を識《し》らざるがために附会《ふかい》したる一個の想像にして、実は本人が夢中遊行中、生理上当然の欲求に駆られて、何等かの液体を渇望しつつ探し廻り、且つ、これを口にしたる結果に外ならず。しかも右は、必ずや、発作の最高潮を経過したる後《のち》に起るべき欲求にして、単に甚しき渇《かつ》の刺戟に依って辛《かろ》うじて夢中遊行を続行しおるが如き状態なるべきを以て、意識の明瞭度は著しく減退しおり、且つ捜索探求の能力等も著しく薄弱となりおれる筈なり。従ってその液体の何たるかを問わず、単に水に似たるもの、もしくは、それが何等かの液体
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