たる、重要なる疑問的特徴を作りしものあるを推測され得るを以て、特に項を改めて記述すべし。

  【七】 呉一郎の悪夢、口臭、その他が表わす夢中遊行症の特徴

 呉一郎が悪夢を見たりという事実と、覚醒後の頭痛、眩暈《げんうん》、悪寒、口臭、嘔気《おうき》等を感じたる事実等を綜合して、麻酔剤の使用を疑われたる事は一面の理由あるものの如し。然れども、これを精神科学的の見地より観察する時は、これ亦《また》、現代の科学知識の発達程度に照して、誠に止むを得ざるに出でたる錯誤と評するを得べし。すなわち、畢竟《ひっきょう》するところ右は、夢、及《および》、夢中遊行なるものの真相の学理的に闡明《せんめい》され、且つ、常識的に理解されおる程度が、甚だ浅薄低級なる結果にして、下記二段の説明を以てこれを判断する時は、右の諸現象が麻酔剤の使用に依って起りしものに非《あら》ず、却って夢遊病の併発症状ともいうべき諸特徴を最も顕著に示しおる事を認め得べし。
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 (イ)口臭[#「口臭」に傍点]、その他と轆轤首の怪談[#「その他と轆轤首の怪談」に傍点] 呉一郎が覚醒後に感じたりという頭痛、嘔気、疲労
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