待の要望(マゾヒスムス)となり、一転して異性の汚物愛好(コプロラグニー)に進み、異性よりの侮蔑冷視[#「異性よりの侮蔑冷視」に傍点]、嘲笑嫌忌の甘受慾[#「嘲笑嫌忌の甘受慾」に傍点](エキシビステンその他)等の経過を見て結局、前者と同様の結末に陥り来るべきは自然の帰趨《きすう》なり。所謂《いわゆる》|NARZISSMUS《ナルジスムス》(自己恋着)はこれにして、筆者の所謂積極消極両様の変態恋愛の交叉帰一点そのものの発露と見るを得べし。
 しかもこの「自己恋着」と名づくるものの中にも亦、積極消極、両極端の合一せる変態あり。すなわち自己に対する極度の愛撫、粉飾等は進んで自己の虐待、自己の一部露出、もしくは覗見《しけん》等の変態趣味に移り、一転して自己の軽視、冷遇、嘲笑、嫌忌もしくは自己恐怖等の心理を感ずるに到り、更に進んで自己虐殺の快適[#「自己虐殺の快適」に傍点]、もしくは自己の屍体幻視の快美感耽溺者[#「自己の屍体幻視の快美感耽溺者」に傍点]となり来るものなり。事実、この種の心理の実例は極めて広汎|多端《たたん》、且つ普遍的の性質を有しおるものにして、往昔の切腹、義死、憤死等の心理又は
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