りの異様な物体の光りの反射を、四方八方から取り巻く試験管、レトルト、ビーカー、フラスコ、大瓶、小瓶、刃物等の夥《おびただ》しい陰影の行列……その間に散在する金色、銀色、白、黒の機械、器具のとりどり様々の恰好や身構え……床の上から机の端、棚の上まで犇《ひし》めき並んでいる紫、茶、乳白、無色の硝子《ガラス》鉢、又は暗褐色の陶器の壺。その中に盛られている人肉の灰色、骨のコバルト色、血のセピア色……それらのすべてが放つ眩《まぶ》しい……冷たい……刺すような、斬るような、抉《えぐ》るような光芒と、その異形な投影の交響楽が作る、身に滲《し》み渡るような静寂さ……。
しかも……見よ……その光景の中心に近く、白絹に包まれた寝棺と、白大理石の解剖台の間から、スックリと突立ち上った真黒な怪人物の姿……頭も、顔も、胴体も悉《ことごと》く、灰黒色の護謨《ゴム》布で包んで、手にはやはり護謨と、絹の二重の黒手袋を、又、両脚にも寒海の漁夫が穿《は》くような巨大なゴムの長靴を穿《うが》っておりますが、その中に、ただ眼の処だけが黄色く縁取《ふちど》られた、透明なセルロイドになっております姿は、さながらに死人の心臓を取
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