覚している低能児である。
 そうして、そんなトンチンカンな幻覚錯覚を得意然と肩の上に乗っけて、その錯覚のタッタ一つを唯一無上のタヨリにしつつ『アタマは最上の、最後の資本』『現代はアタマのスピード時代』という倒錯観念の競争場裡に、かくも夥《おびただ》しい電車、自動車、オートバイを飛ばせて、夜を日に継いで人類文化を、ゴチャゴチャの悶絶界に追い込みつつある、諸君自身の脳髄である。
 とてもケンノンで見ていられないではないか。

 ……見よ。聞け。驚け。呆れよ……。
 アンポンタン・ポカンのスローガンだ。
 人類文化の罵倒だ。
 脳髄文明の覆滅だ。
 唯物的科学思想の建てかえ建て直しだ。

 ポカンは宣言する。
 ……『物を考える脳髄』はにんげん[#「にんげん」に傍点]の最大の敵である。……宇宙間、最大最高級の悪魔中の悪魔である。……天地|開闢《かいびゃく》の始め、イーブに智慧の果《このみ》を喰わせたサタンの蛇が、更に、そのアダム、イーブの子孫を呪うべく、人間の頭蓋骨の空洞に忍び込んで、トグロを巻いて潜み隠れた……それが『物を考える脳髄』の前身である……と……。

 ……眼を開け……。
 ……
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