しい身姿《みなり》をした雲雀がこう云いました。
「リイチョ、リイチョ。リイチョ、リイチョ。チョ、チョ。チョン、チョン」
「まあそれは何と云うこと」
「チョングリイ、チョングリイ、チョングリイ」
「グリイチリ、グリイチリ。チリロ、チリロ」
「ちっともわからないわ」
「チリル、チリル。ルルイ、ルルイ。リイツク、リイツク、リイツク、リイツク」
「つまらないわねえ……そんな言葉じゃ……」
 オシャベリ姫がこう云いますと、今度は集まっていた雲雀がみんな一時にしゃべり出しました。
「ピークイ、ピークイ。ピークイ、ピークイ。クイッチョ、クイッチョ。クイッチョ、クイッチョ。チョ、チョ。チョン、チョン。チョングリ、チョングリ。チイヤ、チイヤ。チャルイヨ、チャルイヨ。チャルイヨ、チャルイヨ」
 オシャベリ姫はあんまり八釜《やかま》しいのでびっくりして、
「まあ。何てやかましいんでしょう。そんなにしゃべっちゃ、私の耳が潰《つぶ》れてしまうよ。やめて頂戴、やめて頂戴」
 と云いましたが、雲雀たちはなかなかやめません。なおもよってたかってしゃべりつづけます。
 オシャベリ姫はあんまり雲雀たちにシャベりつけられて
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