」に傍線]行燈が装飾一遍となつたのは、大阪の祭提灯と同じ経路を辿つて来たものらしい。四尺許りの長提灯を貫いて、殆ど其三倍の長さの塗り物の竿が通つてゐて、其頭には鳥毛の代りに馬の尾か何かの白い毛を垂した、其上へ更に千成瓢箪・奔馬などの形の附いてゐるものである。其を宵宮には担《カタ》げて宮に参詣しては、新しい護符を貼りかへて貰つて帰つて来るのである。持ち帰ると家毎に表へ出してある、四方ころびになつた四脚《ヨツアシ》の台に立てゝ置いたのであるが、其用はやはり神招《カミヲ》ぎの依代として、天降《アモ》ります神の雲路を照すものなのである。



底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
   1995(平成7)年3月10日初版発行
初出:「郷土研究 第三巻第二・三号、第四巻第九号」
   1915(大正4)年4月、5月、1916(大正5)年12月
※底本の題名の下に書かれて居る「大正四年四・五月、五年十二月「郷土研究」第三巻第二・三号、第四巻第九号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
※底本では「訓点送り仮名」と注記されている文字は本文中に小書き右寄せになっています。
※踊り字(/″\)の誤用は
前へ 次へ
全43ページ中42ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング