妣が国へ・常世へ
異郷意識の起伏
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)祖《オヤ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)祖先|精霊《シヤウリヤウ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「((山/追のつくり)+辛)/子」、第4水準2−5−90]《ひこば》えして
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)浦島[#(ノ)]子
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)われ/\の
−−
一
われ/\の祖《オヤ》たちが、まだ、青雲のふる郷を夢みて居た昔から、此話ははじまる。而《しか》も、とんぼう髷を頂に据ゑた祖父《ヂヾ》・曾祖父《ヒヂヾ》の代まで、萌えては朽ち、絶えては※[#「((山/追のつくり)+辛)/子」、第4水準2−5−90]《ひこば》えして、思へば、長い年月を、民族の心の波の畦《ウネ》りに連れて、起伏して来た感情ではある。開化の光りは、わたつみの胸を、一挙にあさましい干潟とした。併《し
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