たのであらう。即ちう[#「う」に傍線]がそはると動詞となり、い[#「い」に傍線]がつくと名詞となる。あ[#「あ」に傍線]の母韻がつくと主に副詞または形容詞となる。
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┌ます+ら+雄 勝
ます 渾沌┤天[#(ノ)]益人 増
└まそ+け・し(まさ+き・く) 正
益荒雄と記紀万葉にかいたのは借字で字によつて、たけ/″\しい意があるとするから小田のますら雄[#「小田のますら雄」に傍線]の説明が出来ぬので、ます+ら+雄であつて達者な男といふ意にとれば不思議はない。まそ+け・しといふ語が達者なといふ意を暗示して居るではないか(兵部令にちからびとの事を健児《コンデイ》と宛てたのにも此辺の消息がうかゞはれ相である)。天益人の如きも黄泉津平坂のことゞわたしの時に、
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汝国之人草一日絞殺千頭[#(云々)]愛我那邇妹命汝為然者吾一日立千五百産屋是以一日必千人死一日必千五百人生也
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とあるのにかまけて、大祓の「国中[#(尓)]成出[#(武)]天之益人等[#(我云々)]」とある語
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