言となつて接尾語をうけたものらしく思はれる。これらが体言的のあつかひをうけるべきことは前にものべたが、なほ肩ぐ、あぎとふ、あきなふ、時めく(心ときめくのとき[#「とき」に傍線]は今は濁つてどきつく[#「どきつく」に傍線]などゝいうてゐる。此処の時は其とは違うて時を得る、ときめく等の時である)、はらむ、香ぐなどゝいふに徴して明かであらう。
連体段について述べるつもりが意外にわき路へ這入りこんでしまうたが、ひつくるめていふと、連体言に他の接尾語を加へて、用言とするといふことは疑はしい。ただ形容詞の連体言についてはわが師は之を認めて居られるけれど、よくあり、あしくありと連用言からあり[#「あり」に傍線]を受けたものと考へる方がどうもまさつてる様に思ふ。なる程あり[#「あり」に傍線]、す[#「す」に傍線]、う[#「う」に傍線]といふ様な語がい[#「い」に傍線]母音に関係のふかい段につゞくといふことはわかつて居るけれど、これを拡張してよきあり、あしきありと説くことはさかしだてする様ではあるけれど師説ながら服しがたい。
あり[#「あり」に傍線]、う[#「う」に傍線]、す[#「す」に傍線]、む[#「
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