かなし・む そゝ・る かこ・む いこ・ふ しづ・る
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などの語によつてみても名詞語根説が語根名詞説よりもまさつてゐる事は明かである。
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かなしむ[#「かなしむ」に傍線]は形容詞から来たもので誰もかなしむ[#「かなしむ」に傍線]からかなし[#「かなし」に傍線]といふ語が出来たとはいふまい(このかなしむ[#「かなしむ」に傍線]のかなし[#「かなし」に傍線]は体言である事は後にいふ)。そゝる[#「そゝる」に傍線]のそゝ[#「そゝ」に傍線]、よゝむ[#「よゝむ」に傍線]のよゝ[#「よゝ」に傍線]などは擬声といふのか、擬状といふのか、ともかくも八品詞以外のやゝ感嘆詞に近い語である。これを体言的(意味上の)に借用して、む[#「む」に傍線]とかる[#「る」に傍線]とかいふ用言にうつす接尾語をつけたのであつてみれば、誰しもそゝ[#「そゝ」に傍線]、よゝ[#「よゝ」に傍線]はそゝる[#「そゝる」に傍線]、よゝむ[#「よゝむ」に傍線]の語根から出たのだとは主張すまいとおもふ。ましてそゝのかす[#「そゝのかす」に傍線]とか(そゝめくとか、そゝや秋風など
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