なると思ふ。
うか・る[#「うか・る」に傍線]といふ語は、うか/\[#「うか/\」に傍線]といふ語ある如く、うか[#「うか」に傍線]は体言的に扱はれて受身のる[#「る」に傍線]がつけられてゐるのである。これを使役の意味にうつしてうか・す[#「うか・す」に傍線]としても、やはりうく[#「うく」に傍線]といふことをせしむといふ意味にするのである。なく[#「なく」に傍線]がなかる[#「なかる」に傍線]となり、なかす[#「なかす」に傍線]となるのもやはりなく[#「なく」に傍線]といふことがせられるとか、なく[#「なく」に傍線]といふことをせさすとかいふ意味になるのである。同様にくだ・る[#「くだ・る」に傍線]とくだ・す[#「くだ・す」に傍線]はくだ[#「くだ」に傍線]が語根となつてゐるので、これもやはり将然名詞法であらうとおもふ。即ちくづ[#「くづ」に傍線]といふ語があるべき筈である。然しながら、これは甚だ耳遠くてそんな語があつたか、なかつたかもわからぬ。けれどもこれを発音上親族的の関係あるや[#「や」に傍線]行にうつしてみれば、くゆ[#「くゆ」に傍線](崩)といふ語は明かに下の方へあるものが
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