はか[#「あてはか」に傍線]のは[#「は」に傍線]等は、名詞をつくる接尾語だと考へる。
やは[#「やは」に傍線]、わか[#「わか」に傍線]、ほこり[#「ほこり」に傍線]、あて[#「あて」に傍線]などにはすでに体言的の意はあるのだけれども、完全な体言とはなりをふせぬから、ら[#「ら」に傍線]なり、や[#「や」に傍線]なり、か[#「か」に傍線]なり、は[#「は」に傍線]なりをつけてその体言的の意をやゝ完全にして、名詞になり、形容詞になり、副詞になり用ゐたものとおもはれる。そして尚いふと、単にや[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]、は[#「は」に傍線]といふ単純な外部から添加した語ではなく、もと/\活用のあつた語の将然言であらうと思ふ。これについてはなほ後にいふ所があらう。
古事記上巻の須勢理媛の歌に※[#歌記号、1−3−28]あやかきの布波夜賀斯多尓、むしふすま尓古夜賀斯多尓、たくぶすま佐夜具賀斯多尓 とあるそのふはや[#「ふはや」に傍線]、にこや[#「にこや」に傍線]は今でいふとふはやか[#「ふはやか」に傍線]とか、ふは/\した[#「ふは/\した」に傍線]とか、
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