も同様の事がいはれる。かづら(鬘)といふ語があつてのちはじめて出来る筈の語で、決してかづらぐ[#「かづらぐ」に傍線]から鬘がうまれたとはいふことが出来ない。その外かた・ぐ[#「かた・ぐ」に傍線]とかはら・む[#「はら・む」に傍線]とかちか・ふ[#「ちか・ふ」に傍線](ちかごとなどいふ)、うら・ふ[#「うら・ふ」に傍線](うらなふと意殆ど同じい)、あが・ふ[#「あが・ふ」に傍線](あがなふと意殆ど同じい)、あぎと・ふ[#「あぎと・ふ」に傍線](魚のあぎと・ふをいふ。あぎとをはたらかしたもの。童児のあぎとふはあき・とふ[#「あき・とふ」に傍線]である)とかいふ語を見ても、かたぐ[#「かたぐ」に傍線]から肩[#「肩」に傍線]、はらむ[#「はらむ」に傍線]から腹[#「腹」に傍線]、ちかふ[#「ちかふ」に傍線]からちか[#「ちか」に傍線]、うらふ[#「うらふ」に傍線]、うらなふ[#「うらなふ」に傍線]から占[#「占」に傍線]、あがふ[#「あがふ」に傍線]、あがなふ[#「あがなふ」に傍線]から贖[#「贖」に傍線]、あきとふ[#「あきとふ」に傍線]から顎[#「顎」に傍線]などが生れたとは決して考へる
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