終わり]
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(三)[#「(三)」は縦中横] 料理がれうる[#「れうる」に傍線]、装束がしやうぞく[#「しやうぞく」に傍線]と動詞になり、おはもじ(はづかしいこと)、ひもじが、おはもじい、ひもじいと形容詞になるのはどういふものか。
(四)[#「(四)」は縦中横] わかやか やはらか すみやか などと、
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わかやぐ やはらぐ すみやく などゝは、どちらが前に出来たかなどゝいふ事は別として、やはらかのら[#「ら」に傍線](か)、わかやかのや[#「や」に傍線]は何のためについてゐるのかといふことについて詳細の説明がきゝたい。
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注意
や[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]の説明を求めるにあたつて、自分の立脚地から見たや[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]の説明をしておく必要を感ずる。
やはらか[#「やはらか」に傍線]のら[#「ら」に傍線]、わかやか[#「わかやか」に傍線]のや[#「や」に傍線]、ほこりか[#「ほこりか」に傍線]のか[#「か」に傍線]、あてはか[#「あてはか」に傍線]のは[#「は」に傍線]等は、名詞をつくる接尾語だと考へる。
やは[#「やは」に傍線]、わか[#「わか」に傍線]、ほこり[#「ほこり」に傍線]、あて[#「あて」に傍線]などにはすでに体言的の意はあるのだけれども、完全な体言とはなりをふせぬから、ら[#「ら」に傍線]なり、や[#「や」に傍線]なり、か[#「か」に傍線]なり、は[#「は」に傍線]なりをつけてその体言的の意をやゝ完全にして、名詞になり、形容詞になり、副詞になり用ゐたものとおもはれる。そして尚いふと、単にや[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]、は[#「は」に傍線]といふ単純な外部から添加した語ではなく、もと/\活用のあつた語の将然言であらうと思ふ。これについてはなほ後にいふ所があらう。
古事記上巻の須勢理媛の歌に※[#歌記号、1−3−28]あやかきの布波夜賀斯多尓、むしふすま尓古夜賀斯多尓、たくぶすま佐夜具賀斯多尓 とあるそのふはや[#「ふはや」に傍線]、にこや[#「にこや」に傍線]は今でいふとふはやか[#「ふはやか」に傍線]とか、ふは/\した[#「ふは/\した」に傍線]とか、
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