霊魂の話
折口信夫

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)却々《なかなか》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)たま[#「たま」に傍線]

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)秦[#(ノ)]河勝

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)追ひ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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       たま[#「たま」に傍線]とたましひ[#「たましひ」に傍線]と
たま[#「たま」に傍線]とたましひ[#「たましひ」に傍線]とは、近世的には、此二つが混乱して使はれ、大ざつぱに、同じものだと思はれて居る。尤、中には、此二つに区別があるのだらうと考へた人もあるが、明らかな答へはない様である。私にもまだ、はつきりとした説明は出来ないが、多少の明りがついた。其を中心に話を進めて見たいと思ふ。
古く日本人が考へた霊魂の信仰は、後に段々変つて行つて居る。民間的に――知識の低い階級によつて――追ひ/\に組織立てられ、統一づけられた霊魂の解釈が加はつて行つた為だと思ふ。だから其中から、似寄つたものをとり出して、一つの
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