つのと、同じことになるので、他界から来るたま[#「たま」に傍線]をうける形なのであつて、さうする事によつて、村の聖なる為事に、与る資格が得られる、と考へたのである。
かういふ風に考へて見ると、他界からやつて来るたま[#「たま」に傍線]は、単に石や木や竹の様なものゝ中に宿るのではなく、人自身が、ものゝ中に這入つて、魂をうけて来るのであつた。をかしな考への様であるが、日本人が、最初から、現実に魂を持つて来て居ると考へたら、こんな話は出来なかつたと思はれる。即、容れ物があつて、たま[#「たま」に傍線]がよつて来る。さうして、人が出来、神が出来る、と考へたのであつた。
       たま[#「たま」に傍線]とたましひ[#「たましひ」に傍線]との区別
たま[#「たま」に傍線]からたましひ[#「たましひ」に傍線]に這入つて見ると、用語例が、さま/″\に混乱してゐて、自分にも、賛成の出来ない様な、矛盾した気持ちで話をしなければならぬが、たま[#「たま」に傍線]とたましひ[#「たましひ」に傍線]とは、並んで居るのだから、此はどうしても、別のものと考へねばならぬ。たましひ[#「たましひ」に傍線]はたま[
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