の上に、根神の存する事がある。処が、おめない神[#「おめない神」に傍線]・ゐきい神[#「ゐきい神」に傍線]は、両方とも根神である。其で、ゐきいおくで[#「ゐきいおくで」に傍線]・おめないおくで[#「おめないおくで」に傍線]を統括するねがみおくで[#「ねがみおくで」に傍線]がある。即、ねがみおくで[#「ねがみおくで」に傍線]は、総本家の女房である。此女房が先達となつて、もとはか[#「もとはか」に傍線]詣でに出かける。此は、今では一種の遊山旅行であるが如くになつて来た。(ほんとうの神体として、沖縄本島では、銅製の鏡を立てるが、八重山では、此を嫌つて居る。)
毎年時候のよい時に、総本家の女房に率ゐられて、数多くの拝所《ヲガン》を、拝みながら巡回する。琉球の島にあつて、神に関係ある場所は、此等の人々に大抵関係があるので、一つ/\巡つて歩く。少しでも関係ある墓等も、遺りなく拝み巡る。それ故、遠近の差で、其拝む度数が定まつて来る。又、血縁の遠近によつても、拝する度数が定まつて来る。其他、ゆた[#「ゆた」に傍線]の言によつて、諸処を拝んで歩く。琉球の女は迷信深いから、到る処を拝してまはる。それで、西
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