に傍線])の時に言ふ言葉を、おもろ[#「おもろ」に傍線]と言ふ。柳田先生は、あふり[#「あふり」に傍線]とおもろ[#「おもろ」に傍線]と、同一であらうと説明されて居る。此おもろ[#「おもろ」に傍線]が、朝廷に伝はり、地方にも自然的に伝播する。即、地方の神官の家には、代々伝へられて、保存せられてゐた。
此を考へて見ると、太陽信仰の存する処には、笠はつきものなのである。琉球の大切な神を、おちだがなし[#「おちだがなし」に傍線]と言ひ、ちだ[#「ちだ」に傍線]と略称して居る。台湾には、みさちだ[#「みさちだ」に傍線]と言ふ太陽神がある。笠の観念は、月が暈《かさ》を着ると言ふ信仰によるものと、尊い神に直接あたらぬ様にすると言ふ、二つの信仰が、合したものであるらしい。
琉球の女官・后・下々の女官・神職に到るまでの事柄は、女官御双紙に載つて居る。神職の名前の中で、今帰仁《ナキジン》の神職に、あふりあぇ[#「あふりあぇ」に傍線]と称して居る者がある。又一地方に、さすかさのあじ[#「さすかさのあじ」に傍線]と言ふ者がある。あじ[#「あじ」に傍線]は按司(朝臣)であると言ふ。あふり[#「あふり」に傍線]
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