欲生活が、雨障《アマツヽミ》又は、霖忌《ナガメイミ》であつた。其を、合理化したのが、大祓式であつた。村のをとこ[#「をとこ」に傍線]となるはずの――成年戒を受ける――人々の、田植以前の物忌みが、其であつた。其を、次第に向上させて、宮廷伝来の呪詞から出来たものと信じた。
天《アマ》つ罪《ツミ》は、田植ゑに臨む、村の仮装神人及び巫女――早処女《サヲトメ》――の、長期の物忌み生活から出た起原説明物語であつた。此等は、民人――殊に出雲人など――の生活の反映である。すさのをの[#「すさのをの」に傍線]命は田を荒す神であつた。さうして其が、祓への結果田を荒さぬ誓ひを立てた事を、出雲国造の国で行うたのである。其旧事が直に、地上の呪法となるのだ。村の田に出て来る神々の行ひは、だから、豪族の風を移した村々の神人の歌舞《アソビ》である。此時、此に接する巫女たちの挙動も亦、其写しに過ぎない。
私の話は、万葉集の内容の発生の輪廓と、万葉びとの生活の基礎となつた信仰生活とを完全に書きゝらずに了うた。だが、此論文に、若し多少の効果を予期する事が出来るなら、過去の研究は、過去の記述ばかりでは、完う出来ない。近代まで
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