万葉びとの生活
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)斥《さ》す
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)はつ国|治《シ》る人
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「酉+榲のつくり」、第3水準1−92−88]醸
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)高天[#(ノ)]原
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)だん/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
飛鳥の都以後奈良朝以前の、感情生活の記録が、万葉集である。万葉びと[#「万葉びと」に傍線]と呼ぶのは、此間に、此国土の上に現れて、様々な生活を遂げた人の総べてを斥《さ》す。啻《ただ》に万葉集の作者として、名を廿巻のどこかに止めて居る人に限るのではない。又記・紀か、類聚歌林か、或は其外の文献にでも、律語の端を遺したらう、と思はれる人だけをこめて言ふのでもない。此時代は実は、我々の国の内外《ウチト》の生活が、粗野から優雅に踏
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