の促音は、くびのたけ[#「くびのたけ」に傍線]の積りであるので、だけ[#「だけ」に傍線](而已)に力をこめたのではなからう。
○さくら[#「さくら」に傍線] 縁日などに出る香具師の仲間では、客の買ひ方を速める為に、囮になつて、馴れあひで物を買ふ。此類に限らず、其外にも、人目は関係ない様に見せかけて、実は、脈絡をもつて悪い事をする第三者、譬へば、手品師に於ける隠れ合図をする者・すり[#「すり」に傍線]のすつた品物を途中で受けとる人間など、すべて相掏り(あひずり)と言はれるものを、大阪ではさくら[#「さくら」に傍線]と言ふ。此は、花合せの札の三月の分が、殊に目につく藍刷りであつた為かと思ふが、他に案があつたら、教へて下さい。
○祭りの翌日 祭りの前の日のよみや[#「よみや」に傍線]、祭日の本《ホン》まつり[#「まつり」に傍線]などは、何処でも通用するが、祭りの翌日には、行事のあるところと、ないところとがある様だし、用語も、地方によつて、まち/\な様である。熊本のおけあらひ[#「おけあらひ」に傍線](桶洗ひか)大阪のごえん[#「ごえん」に傍線](後宴か御縁か)などは聞いた。祭りのなごりを惜し
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