て見ると、そこに稍、ある説明らしいものゝ出来上つた気がする。一つ/\の解説については、間違ひのないと言ふ事は保証出来ない。だが大体の方法において、過誤がなくば、かうした隠れた事実のあつた事を示すだけには、役立つ。
かやうに持つて廻つた様な解説が、忘れられた文法研究の一つの方法であると共に、実は今一つ、私の常に考へる所の終著は平凡にして、過程には、多少変つた処のある方法を寓したつもりであつた。即、言語詞章は、常に複雑から単純に赴く、と言ふ信念の表白及び、その論理なのである。



底本:「折口信夫全集 12」中央公論社
   1996(平成8)年3月25日初版発行
初出:「国文学論究」
   1934(昭和9)年7月
※底本の題名の下に書かれている「昭和九年七月刊「国文学論究」」はファイル末の「初出」欄に移しました
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年11月30日作成
青空文庫作成ファイル:
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