(<圧す) たゝかふ(<叩く)
[#ここで字下げ終わり]
これを又形式上から見て、
[#ここから2字下げ]
(A)[#「(A)」は縦中横]語根が単に原形の音韻をかへただけのもの
(B)[#「(B)」は縦中横]語根が其の原形なる言語の属性の部分観念を表象するために、故意に音韻をかへたものと思はれるものゝ接尾語に結びついて特殊の概念を構成したもの
[#ここで字下げ終わり]
との二つがある。
内容の上からも亦、
[#ここから2字下げ]
(C)[#「(C)」は縦中横]語根語尾の融合により文法的属性の変化を示すもの
(D)[#「(D)」は縦中横]時間観念を増加して言語情調を変ずるもの
[#ここで字下げ終わり]
との二種がある。
(A)[#「(A)」は縦中横]は無意識的に音韻の変化したものであるが、(B)[#「(B)」は縦中横]は故意に文法的属性を形にあらはしてそれに接尾語を呼んだものである。共に今日では、明瞭な語原意識が浮ばないから判然と断言する事が出来ないが、ともかくも此の二つの範疇が根底に横たはつてゐることは疑を入れない。
例へば、単に(u)[#「(u)」は縦中横]で終る原形が(a)[#「(
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