傍点]の命の伝承通りに、供斎《イハヒゴト》を奉仕をして、今、朝の日のだう/\と登る際、その登る日の如く、神としては宮廷への敬意の表現・大身の臣下としても、宮廷への敬意の表現として、主上を祝福する御為の、神聖なる呪物を献上すること、かくのとほりと申しあげる。扨《さて》その呪物の真《マツ》其まゝに、白玉の如く、御白髪がおありになり、赤珠の如く、健康で赤々と血色よくおありになり、青玉其は、水江《ミヅエ》の青玉の穴が両方から程よく交叉してゐる如く、すべてが程よくつりあうて、生き神として、神の如く大八洲国をお治めなさる尊い御方の寸法長い御生命を、神宝の中の御横刀《ミハカシ》の刃《ハ》が広く打つてあるやうに、先になるほど、広くしつかりとうち堅め、おなじく白い御馬の前足の爪・後足の爪を踏み立てる事を比喩にとつて言へば、宮廷の内の御門・外の御門の柱をしつかりと、上かはの岩に踏み堅め、底の岩に集注するやうに踏みつけ、又ふり立てる事を比喩にとつて言へば、其白馬の耳の如く、益年高く、天の直下《チヨクカ》の国をお治めなさる事の兆し、又この白い鵠《クグヒ》の活けた貢物のお侍《ソバ》のお手馴《テナ》れの魂移《タマ
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