御叔母玉依姫と御夫婦になられた、とあるのをみても訣る。元来、めのと[#「めのと」に傍線]といふ言葉は、妻の弟といふ事で、乳母の弟が、妻になつた事を意味してゐるのである。
不思議な事に、后になられる御方は、水の神の娘、又は水の神に関係の深い女である。かの丹波氏の家筋も、水の神に深い関係を持つて居る。世が下つてからは、丹波氏の資格を以て、藤原氏が禊ぎを司る事になり、其家から后が出た。
一体御湯殿は、平常でも、非常に重ぜられて居た。「御湯殿の上の日記」も、平安朝からのものではあらうが、女の手になつたもので、断篇ながら、参考にはなる。此で見ても、湯棚・湯桁は、神秘な行事の行はれた所である事が、察せられるのである。即、湯棚には天子様の瑞《ミヅ》の緒紐《ヲヒモ》を解く女が居て、天子様の天の羽衣、即ふもだし[#「ふもだし」に傍線]を解くのである。
話を元へ戻して、大嘗祭第一回に天子様が湯へお這入りになるのは、紫宸殿の近くで行はれるのかと思ふが、正式には廻立殿で行はれたのである。平安朝には既に、行はれなくなつて了うたらうが、太古は必、行はれたのである。此問題は、天の羽衣の話と関係がある。天人の話の天の
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