人間惡の創造
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)始中終《シヨツチユウ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)最|夙《ハヤ》くに
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)きり[#「きり」に傍点]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
(例)つく/″\
−−
若い頃、よく衆生の恩など言ふ語を教はつたものだが、その用語例に包含させては、ちよつと冷淡過ぎる氣もする。併し誰でも讀んで居り、又その中の何分の一かゞ、ちよつとも讀まないでゐて、而も讀んだ世間から押しよせて來る知識によつて、一體の智慧の水準の高まつてゐると言ふことは珍しく言ふ程のことはない。明治以後さういふ影響を殘した書物を數へ立てれば、きり[#「きり」に傍点]もないが、その十種には入らなくても、最讀まれた五十種位に數へなければならない程、日本人の心にひろがつてゐる「知識の書」がある。こなんどいる[#「こなんどいる」に傍線]のしやあろつく・ほうむず[#「しやあろつく・ほうむず」に傍線]だと言
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