つて、大体に於て外れてゐる。にへ[#「にへ」に傍線]は、神及び神に近い人の喰ふ、調理した喰べ物である。いけ[#「いけ」に傍線]は活け飼ひする意である。何時でも、神の贄に供へる事の出来る様に飼うて居る動物を言ふ。同時に、死物の様な植物性の贄と、区別する語なのである。我々の国の信仰の溯れる限界は、こゝまでゞある。併し尚一歩を進めるだけの材料はある。供へ物なる動物・植物の容れ物は、どうやら、其中に、神も這入られた神座の変化である様に見える。
神と、其祭りの為の「生《イ》け贄《ニヘ》」として飼はれてゐる動物と、氏人と、此三つの対立の中、生け贄になる動物を、軽く見てはならない。其は、ある時は神とも考へられ、又ある時は、神の使はしめ[#「使はしめ」に傍線]とも考へられて来たのである。
遠慮のない話をすれば、属性の純化せなかつた時代の神は、犠牲料《イケニヘ》と一つであつた様に考へられる。さうして次の時期には、其神聖な動物は、一段地位を下げられて、神の役獣と言ふ風に、役霊の考への影響をとり込んで来る。さうした上で、一方へは、使はしめ[#「使はしめ」に傍線]として現れ、一方へは神だけの喰ひ物と言ふ様に岐
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