苦しんだ社会が生んだ信仰であらう。
現世でめでたしが浄瑠璃、来世を信頼するのが説経である。次に自分の歴史を語る懺悔物語がある。
なほ又、病者の自叙は浄瑠璃、そして恋愛・悪行等は祭文と、凡、区別せられる。
唱門師は、此島では優秀な地位を占めたから戸数も非常に多かつた。
山伏も茲に関聯して説いて見よう。彦山の山伏の勢力範囲なる故、後世は専ら其山伏の横暴に苦しんで、此を殺して埋めたと言ふ山伏塚が多いが、中には、山伏の築いた壇の類もあるであらう。唯、さうした修験道の行儀喧しい時代以前に、呪術に達したから、山伏の形を以て、自由に土地を求めて歩いた時代を考へて見ると、無頼の徒・山伏・傭兵・らつぱ[#「らつぱ」に傍線]・かぶき者[#「かぶき者」に傍線]・芸能・唱門師の有髪の者・千秋万歳、――かうした自在な形で、移り歩いたらしい。名護屋山三郎の様なのは、かぶき者[#「かぶき者」に傍線]・無頼漢で、芸能のあつた――其為、幸若舞の詞も、お国に伝へたらしい――傭兵風の流れ者でもあつたのだ。かうした行者側の勝つた唱門師一派或は、地方の神主・寺主の豪族が、新興の諸侯等に負けて、脱走した者なども往来した事は考へら
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