た茶屋の表札を見て来た話を聞いて、兄弟、若い心に名状の出来ぬ心強さと、不思議さとを感じ合うたことであつた。其後地図で見ると、其立て場のあつた、と思はれる処から西へ離れて、折口と言ふ大きな村のあるのを見つけて、其村から出た家であつたものかと考へた。地名索引から拾ふと、
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折口([#ここから割り注]をりくち[#ここで割り注終わり])[#ここから割り注]薩摩出水[#ここで割り注終わり] 折口([#ここから割り注]をりのくち[#ここで割り注終わり])[#ここから割り注]武蔵榛沢[#ここで割り注終わり]
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をりのくち[#「をりのくち」に傍線]の方は、の[#「の」に傍線]の割りこみ方が、聊か異風ではあるが、おり[#「おり」に傍線]をおりみち[#「おりみち」に傍線]など言ふ過程を含んだ語と見れば訣る。
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折戸([#ここから割り注]をりと[#ここで割り注終わり])[#ここから割り注]尾張愛知 上総武射 下野塩谷 羽前西置賜 能登珠洲 越後西頸城[#ここで割り注終わり] 折戸([#ここから割り注]をりど[#ここで割り注終わり])
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