雛祭りの話
折口信夫
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)松竹梅湯島掛額《シヨウチクバイユシマノカケガク》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|由緒《ユカリ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)大宮之※[#「口+羊」、第3水準1−15−1]《オホミヤノメ》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)遠い/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 淡島様
黙阿弥の脚本の「松竹梅湯島掛額《シヨウチクバイユシマノカケガク》」は八百屋お七をしくんだものであるが、其お七の言葉に、内裏びな[#「内裏びな」に傍線]を羨んで、男を住吉様《スミヨシサマ》女を淡島様《アハシマサマ》といふ条《クダ》りが出てくる。お雛様を祭る婦人方にも、存外、淡島様とお雛様との関係を、知らぬ人が多いことゝ思ふ。
古くは願人《グワンニン》といふ乞食房主があつて、諸国を廻りめぐつて、婦人たちに淡島様の信仰を授けまはつたので
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