形が、人格化せられて、事実の如く考へられて来たものであらうかと思ふ。
茲に、一つ断つておきたいことがある。崇神天皇の巻に見えた、山城のひら坂[#「ひら坂」に傍線]の上で、腰裳の少女が童謡《ワザウタ》を歌ふ、あの句の中に「ひめなすびすも」と出てくることである。「姫の遊びすることよ」の意で、雛人形を玩ぶ後世の雛祭りの古い形だといふ様な考へは、撫で物[#「撫で物」に傍線]にせおはせて海上遠く放ちやつてよからうではないか。



底本:「折口信夫全集 3」中央公論社
   1995(平成7)年4月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第二」大岡山書店
   1930(昭和5)年6月20日発行
初出:「愛国婦人 第四七九号」
   1922(大正11)年3月
※底本の題名の下に書かれている「大正十一年三月「愛国婦人」第四七九号」はファイル末の「初出」欄に移しました。
入力:門田裕志
校正:多羅尾伴内
2004年1月28日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあた
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