の考へられるほど、みぬま神[#「みぬま神」に傍線]は、古くから広く行き亘つてゐたのである。三瀦の地名は、みぬま[#「みぬま」に傍線]・みむま[#「みむま」に傍線](倭名鈔)・みつま[#「みつま」に傍線]など、時代によつて、発音が変つて居る。だが全体としては、古代の記録無力の時代には、もつと音位が自由に動いて居たのである。
結論の導きになる事を先に述べると、みぬま[#「みぬま」に傍線]・みぬは[#「みぬは」に傍線]・みつは[#「みつは」に傍線]・みつめ[#「みつめ」に傍線]・みぬめ[#「みぬめ」に傍線]・みるめ[#「みるめ」に傍線]・ひぬま[#「ひぬま」に傍線]・ひぬめ[#「ひぬめ」に傍線]などゝ変化して、同じ内容が考へられてゐた様である。地名になつたのは、更に略したみぬ[#「みぬ」に傍線]・みつ[#「みつ」に傍線]・ひぬ[#「ひぬ」に傍線]などがあり、又つ[#「つ」に傍線]・ぬ[#「ぬ」に傍線]を領格の助辞と見てのきり棄てたみま[#「みま」に傍線]・みめ[#「みめ」に傍線]・ひめ[#「ひめ」に傍線]などの郡郷の称号が出来てゐる。
五 丹生と壬生部
数多かつた壬生部の氏々・
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