やひろどの》起《タ》てゝ、手玉《タダマ》もゆら[#「ゆら」に傍点]に織《ハタ》※[#「糸+壬」、第3水準1−89−92]《オ》る少女《ヲトメ》は、是《これ》誰《た》が子女《ムスメ》ぞ。」答へて曰はく、「大山祇《おおやまつみ》[#(ノ)]神の女等、大《エ》は磐長《いわなが》姫と号《ナノ》り、少《オト》は、木華開耶《このはなさくや》姫と号《ナノ》る。」……(日本紀一書)
[#ここで字下げ終わり]
 これは、海岸の斎用水《ユカハ》に棚かけわたして、神服《カムハタ》織る兄《エ》たなばたつめ[#「たなばたつめ」に傍線]・弟《オト》たなばたつめ[#「たなばたつめ」に傍線]の生活を、ややこまやかに物語っている。丹波道主貴の八処女のことを述べたところで、いはなが媛[#「いはなが媛」に傍線]の呪咀は「水の女」としての職能を、、見せていることを言うておいた。このはなさくや媛[#「このはなさくや媛」に傍線]も、古事記すさのを[#「すさのを」に傍線]のよつぎを見ると、それを証明するものがある。すさのをの命[#「すさのをの命」に傍線]の子やしまじぬみの神[#「やしまじぬみの神」に傍線]、大山祇神の女「名は、木花
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