の中に作って、ゆかはあみ[#「ゆかはあみ」に傍線]を行うようになった。「いづるゆかは」がいでゆ[#「いでゆ」に傍線]であるから推せば、ゆかは[#「ゆかは」に傍線]も早くぬる水[#「ぬる水」に傍線]になっていたであろう。ゆかは[#「ゆかは」に傍線]が家の中の物として、似あわしくなく感じられだしてくると、ゆかは[#「ゆかは」に傍線]を意味するゆ[#「ゆ」に傍線]がしだいにぬる水[#「ぬる水」に傍線]の名となってゆくのは、自然である。
一二 たなばたつめ[#「たなばたつめ」に傍線]
ゆかは[#「ゆかは」に傍線]の前の姿は、多くは海浜または海に通じる川の淵などにあった。村が山野に深く入ってからは、大河の枝川や、池・湖の入り込んだところなどを択んだようである。そこにゆかはだな[#「ゆかはだな」に傍線](湯河板挙)を作って、神の嫁となる処女を、村の神女(そこに生れた者は、成女戒《せいじょかい》を受けた後は、皆この資格を得た)の中から選り出された兄処女《エヲトメ》が、このたな作り[#「たな作り」に傍線]の建て物に住んで、神のおとずれを待っている。これが物見やぐら造り[#「やぐら造り」
前へ
次へ
全51ページ中40ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング