真間・蘆屋の昔がたり
折口信夫
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)一層《いつそ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ごつた[#「ごつた」に傍点]
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)磐[#(ノ)]姫
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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この国学院大学の前身の国学院、及び国学院大学で、私ども万葉集を習ひました。その時分ちようど、木村正辞先生といふ、近世での万葉学者がをられまして、私ども教へて頂きました。
その外に、畠山健先生が、万葉集を教へてをられました。木村先生といふのは、旧時代から名高い万葉学者で、謂はゞ正しい伝統を持つた方です。畠山先生は万葉やら、源氏やら、徒然草やら、宇治拾遺やら、いろ/\なものを教へて下さいました。だから当時の大学予科生なる私どもは、畠山先生の万葉集を教はることが残念に思はれました。高等師範部の前身の師範部の方に、木村先生の時間がありまして、師範部の方が、よい待遇を受けてゐるやうな気がして、師範部の時間を盗み
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