の意思である。文学的に言へば、象徴主義の初歩だと共に、象徴の上に、更に感覚を重んじたのであつた。形式と、内容との印象を極度に交錯した。さうして其間に間隙を作つて、複雑な動きの間、瞬間の沈黙を置いて、更に次の激しい動きに移る。静的な幽玄主義が、動的な新古今風の姿――即たけ[#「たけ」に傍線]――の極端に緊張した、内容の錯覚的な官能的幽玄主義に展開した。四季の歌では、印象派の様な気分的の物もあり、又古今以来の絵画主義を拡げて趣向歌のまゝで感覚表現に突進したのもある。宮内卿の歌の様なのが、其だ。此人の作物は、経信以後の趣向歌或は、絵画美に囚はれてばかりゐたとは言うて了へぬ。時代がよくて、其上、命が更に長かつたら、玉葉・風雅の永福門院に達するはずであつた。自然の上に対して加へた人為的構図も、此人にとつては、わるいと共によくもあつた。趣向歌の臭味に掩《おほ》はれないで、鋭い感覚が写されてゐるのである。
幽玄主義の歌は、新古今集に到つて、瞬間に起る実感・観念の雑多な交錯を同時に表す態度まで進んでゐた。唯さうした意識はなく、幽玄体の名の下に、物我融合の境涯を理想しながら、たけ[#「たけ」に傍線]を重
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