み乱りたり。見ゆ(万葉巻六)
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此は人麻呂の
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英虞《アゴ》の浦に船乗りすらむ処女らが、珠裳の裾に、汐満つらむか(万葉巻一)
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などゝ同じ行き方で、模倣の痕がある様だ。而も独自の領分は十分に持つてゐる。但、あまり外的な表現ではある。けれどもまだ/\「百済野」などに比べれば、歌に古くて強い気ざしがこもつてゐる。「百済野」はまだよい。春の歌四首になると、どうしても今まで挙げて来た歌の作者とは思はれない。実に赤人は、三変或は四変してゐる。
此態度が一般的に見ると、やはり明らかに万葉巻十にも見え、巻七にも見えてゐる。此巻々は、直様古今と続けて見てもよい程に、自然に浸つてゐる。けれども尚失ひきらぬ万葉びとの呼吸は、弛んだ調子の間にも通うてゐて、巻七・巻十の歌の全体として、固定は固定として、一首々々には、真の感激の出たものも多い。
一一
奈良中期には大伴[#(ノ)]旅人・山上[#(ノ)]憶良らが、支那趣味を移植して、短歌に変つた味を出さうとした。けれども此人たちの抒情詩人としての素質が、叙景に優れたものは出させなか
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