詩語としての日本語
折口信夫

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)注《すす》ぎて

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二三|个《か》国

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)われ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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   銘酊船

[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
さてわれらこの日より星を注《すす》ぎて乳汁色《ちちいろ》の
海原の詩《うた》に浴しつゝ緑なす瑠璃を啖《くら》ひ行けば
こゝ吃水線は恍惚として蒼ぐもり
折から水死人のたゞ一人《ひとり》想ひに沈み降り行く

見よその蒼色《あをぐもり》忽然として色を染め
金紅色《きんこうしよく》の日の下にわれを忘れし揺蕩《たゆたひ》は
酒精《アルコル》よりもなほ強く汝《なれ》が立琴《リイル》も歌ひえぬ
愛執の苦《にが》き赤痣を醸すなり
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから(地から)2字上げ]
アルチュル・ランボオ
小林秀雄
[#ここで字上
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