つた一つの理由は、かうした治外法権式の階級が発達して、支配に苦しめられた事もあるのである。此様に、形式上寺家の所有となつたゞけだから、法師・陰陽師の妻が巫女であつたり、盲僧が歌占巫女を女房としたりしたのである。
くゞつ[#「くゞつ」に傍線]とほかひゞと[#「ほかひゞと」に傍線]との相違は、くゞつ[#「くゞつ」に傍線]の海・川を主として、後に海道に住み著いて宿《シユク》をなした者も多いのに、ほかひゞと[#「ほかひゞと」に傍線]は水辺生活について、何の伝説も持たない。早く唱門師になつた者の外は、山人又は山姥と言はれた山の神人として、山中に住んだのもあらう。又、くゞつ[#「くゞつ」に傍線]に混じて、自らさへくゞつ[#「くゞつ」に傍線]と信ずる様になつた者もあらう。
ほかひゞと[#「ほかひゞと」に傍線]は細かに糺して見ると、くゞつ[#「くゞつ」に傍線]と同じものでない処が見える。海語部の外に、他の国々氏々の神人も多く混つてゐた。唯《ただ》後に、僧形になつて仏・道・神三信仰を併せた形になつたものと、山に隠れ里を構へて、山伏し・修験となつた一流と、くゞつ[#「くゞつ」に傍線]に混淆した者とがあつた
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