」は中見出し]
莎草《ハマスゲ》で編んだ嚢《ふくろ》を持つたからの名だと言ふくゞつ[#「くゞつ」に傍線]の民は、実は平安朝の学者の物好きな合理観から、今におき、大陸・半島或は欧洲に亘る流民と一つ種族の様に見られて居る。が、私は、此ほかひゞと[#「ほかひゞと」に傍線]の中に、沢山のくゞつ[#「くゞつ」に傍線]も交つて居ることゝ思ふ。くゞつ[#「くゞつ」に傍線]の名に、宛て字せられる傀儡子の生活と、何処迄も不思議に合うてゐる。彼等は人形を呪言の受けて[#「受けて」に傍線]即、わき[#「わき」に傍線]としたらしい。志賀《シカ》[#(ノ)]島の海部の祭りに出る者は固より、海部の本主となつた八幡神のわき神[#「わき神」に傍線]も、常に偶人である。
室町になつて、淡路・西[#(ノ)]宮の間から、突然に「人形舞」が現れて来た様に見える。が、其長い間を、海部の子孫の流民の芸能の間に潜んで来たものと見るべきである。人形は精霊の代表者であり、或は穢悪の負担者であるから、此を平気に弄ぶまでには、長い時日を要したわけである。
宮廷の神楽は、八幡系統のものであるが、人形だけは採用しなかつた。人間の才《さい》の
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