[#(ノ)]神・直日《ナホビ》[#(ノ)]神の対照は、実際は時代的に解釈が変つて来た処から出た呪言の神であつたのだ。「檍原《アハギハラ》の禊《ミソ》ぎ」に、此二位の神が化生したと説くのは、禊ぎ[#「禊ぎ」に傍線]の呪言に、攻守二霊の作用の本縁を物語つてゐたものであらう。
風土記などにも夙く、出雲|意宇《オウ》郡に詔門《ノリト》[#(ノ)]社の名が見えてゐる。其機能は知れぬが、速魂社と並んで居る処を見ると、呪言の闘争判断方面の力を崇めたのではなからうか。其とは別に、延喜式にも既に「左京二条ニ座ス神二座。太詔戸命神櫛真智命神」と載せてゐる。
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……自[#(リ)][#二]夕日[#一]至[#(ル)][#二]朝日照[#(ルニ)][#一][#割り注]※[#「低のつくり」、第3水準1−86−47]万[#割り注終わり]天都詔戸[#(乃)]太詔刀言[#(遠)]以[#(※[#「低のつくり」、第3水準1−86−47])]告[#(礼)]。如此告[#(波)]麻知[#(波)]弱蒜[#(仁)]由都五百篁生出[#(牟)]。……(中臣寿詞)
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とある文によると、太祝詞とまち
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