つて居る。但、役者自身歌舞妓者が多かつた為、舞台上の刃傷《にんじやう》や、見物との喧嘩などが多かつた。

[#5字下げ]三[#「三」は中見出し]

江戸の荒事は、金平《キンピラ》浄瑠璃と同じ原因から出たらうが、お互に模倣したものとは言へない。団十郎の初代は、唐犬権兵衛の家にゐたと言ふから、やはり町奴の一人となる資格のあつたかぶき者[#「かぶき者」に傍線]だつたのである。
かぶき[#「かぶき」に傍線]と言ふ語は、又段々、やつこ[#「やつこ」に傍線]と言ふ語に勢力を譲るやうになつた。旗本奴にも、歌舞妓衆と言はれる徒党があつて、六方に当る丹前は、此等の奴ぶり[#「奴ぶり」に傍線]から出た。その、寛濶・だて[#「だて」に傍線]などゝ流行語を易《か》へるに従うて、概念も移つて行つて、遂に「通」と言ふ「色好みの通り者」と言ふ処におちついた。
かぶき者[#「かぶき者」に傍線]は半従半放の主従関係だつたので、世が静まつても、さうした自由を欲する心の、武士の間にあつた事が知れる。だから渡り奉公のやつこ[#「やつこ」に傍線]の生活を羨んで、旗本奴などゝ言ふ名を甘受してゐたのだ。
吉原町・新吉原町に「俄《に
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