古代生活に見えた恋愛
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)併《しか》し
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|印南《イナミ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)まりあ[#「まりあ」に傍線]
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)印南[#(ノ)]大郎女
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)もと/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
今日伺ひまして、お話を聴かして頂かうと思ひました処が、かへつて私がお話をせなければならない事になりました。恋愛の話は、只今の私には、最不似合な話であります。併《しか》し、歴史的な話でもといふので、何かさせていたゞきます。
此恋愛といふものは、段々進化して、知識的になつて来て居りまして、大分、そこに遊びが這入つて来て居る。或は、知識的に誤解が這入つて来て居る。若い時分の経験を顧みますと、男と女とで気持が違ふ、感じが違ふといふ事を、良く聞かされて居りますが、恋愛では殊にそれが多い様であります。吾々の気持から考へて見
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