……若えまし、すゝぎふるをどみの水の[#「をどみの水の」に傍線]……みをちまし、まそびの大御鏡の面をおしはるして見そなはす事のごとく[#「見そなはす事のごとく」に傍線]、……しろしめさむ事[#(能)]志太米と御祷の神宝を※[#「敬/手」、第3水準1−84−92]げ持ちて、神礼[#(自利)]・臣礼[#(自)]と……
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[#地から1字上げ](出雲国造神賀詞)
呪詞に起原を持つ表現法が、思ひがけない程、多く古代祝詞には相当な数はある。而も其方の「鵜じもの」と、記・紀の側では「しゝじもの」などが目につく位だ。而もある点では、奈良朝の文法の貯溜池と見られる宣命には、同じ「じもの」でも、特殊な用語例が残つてゐるのである。さうして其が、第一類の比喩表現を含む「じもの」と関係なく、第二類に極めて近いことが考へられるのだ。第二類から第一類への過程に、「牀じもの」を据ゑて見れば、稍解釈がつきさうに思はれる。我々は成立した形容詞活用に左右せられることなしに、其以前の形を考へるつもりで、まづ見てゆく必要がある。
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○朕《ワ》が臣としてつかへ奉る
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