想をとつてゐる。
つまり国造家の負幸物と呪詞とを関聯せしめて言ふのに、「もの」の用語例を換へて来てゐる。つまり唯の枕詞のやうにしたてゝゐるのだ。でも尠くとも枕詞として考へる以上、「じもの」に近い用語例と、「……の」と比喩法を採るのと、二つながら並行した方法なる事と合点は行く。
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朝日の豊さか登りに、神[#(乃)]礼[#(自利)]、臣[#(能)]礼自[#「礼自」に白丸傍点][#(登)]御祷《ミホキ》の神宝献らくと奏す。白玉の[#「白玉の」に傍線]大御白髪いまし、赤玉の[#「赤玉の」に傍線]みあからびいまし、青玉[#「青玉」に傍線]の[#「の」に二重傍線]水江[#「水江」に傍線]の[#「の」に二重傍線]玉の[#「玉の」に傍線]ゆきあひに、……手長《タナガ》の大御世をみはかし広に[#「みはかし広に」に傍線]誅堅《ウチ?》めて、白御馬の[#「白御馬の」に傍線]……踏み堅め……振り立つる事は、耳の[#「耳の」に傍線]いや高に、天下をしろしめさむ事志太米[#「事志太米」に傍線]、白鵠《クヾヒ》の生御調[#(能)]玩物[#(登)]、倭文の大御心も多親《タシ》に、……若水沼にいや
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