す。
翁の形式が幾通りにもくり返されます。ねぎ[#「ねぎ」に傍線]とか、なかと祓[#「なかと祓」に傍線]――中臣祓を行ふ役の意らしい――とか海道下り[#「海道下り」に傍線]とか称へてゐるのは、皆、翁の役を複演するもので、一種の異訳演出に過ぎないのです。即、翁を演ずる役者なるねぎ[#「ねぎ」に傍線]の、其の村に下つた由来と経歴とを語るのでした。だから、此は翁のもどき[#「もどき」に傍線]なのです。処が、翁にも此番にも、多くのをこつき[#「をこつき」に傍線]のもどき[#「もどき」に傍線]が出て、荒れ廻ります。而も、此外に必、翁に対して、今一つ、黒尉が出ます。此を三番叟といふ処もあり、しようじっきり[#「しようじっきり」に傍線]と言ふ地もあります。又猿楽とも言ひます事は、前に述べました。此は大抵、翁の為事を平俗化し、敷衍して説明する様な役です。が、其に特殊な演出を持つてゐます。前者の言ふ所を、異訳的に、ある事実におし宛てゝ説明する、と言ふ役まはりなのです。翁よりは早間で、滑稽で、世話に砕けたところがあり、大体にみだりがはしい傾向を持つたものです。
信州|新野《ニヒノ》の雪祭りに出るしようじっ
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